2008年7月 6日

感性地域活動賞

新聞販売ネットワークを活用した感性ビジネスの地域モデル
米澤 晋也 殿

貴殿は長野県辰野町において新聞販売のみならずその既存ネットワークを活用した購読者との双方向コミュニケーションを経済活動として展開されています。ここに地域と感性産業への貢献を称え感性地域活動賞を授与いたします。


講評

 有限会社共和堂は、長野県辰野町にある老舗の新聞販売店である。米澤氏が共和堂の代表に就任した当時、共和堂は辰野町の3悪堂の1つと言われていたという。米澤氏が就任後、新聞の古紙回収やニューズレターの発行を通して、購読者と双方向のコミュニケーションをあらゆる手段を通して図ってきた。さらに古紙回収で調達した資金を用いて市民のためのイベントを開催している。またホテルのようなサービスを目指す朝食サービスも展開している。
 その事業内容は既存の新聞販売店という枠組みでとらえることはできず、いわば「朝のトータルプロデュース業」であり、地域住民との対話を軸にした、地元に愛される感性ビジネスの地域モデルを経済活動として創出している。ここにその活動を称え感性地域活動賞を授与する。

感性製品奨励賞

竹と真空管アンプが融合した感性に響くオーディオ製品「Sound Warrior」
城下 徹 殿

 貴殿は竹と真空管アンプを組み合わせた感性音響システムを開発しこだわりの物作りを行っています。ここにその業績を称えさらなる感性産業への発展を願って感性製品奨励賞を授与いたします。


講評

「Sound Warrior」は、感性に響く音響製品をよりリーズナブルな価格で提供するために生まれたブランドとして位置づけている。
竹集成材が持つ弾性・粘性の特長を活かして、しなやかで凛とした響きを醸し出し、見た目にも美しい竹素材のスピーカーを用い、さらに緩やかな光を灯す真空管アンプを用いた組み合わせによって重厚なアナログ音へのこだわりを特徴としたオーディオシステムである。オーディオに凝った経験のあるアダルト世代をターゲットに、音楽を楽しむ世界観を提供している。
自社開発製品であり、筐体の加工も上田地域で実施している。独自の販売戦略によって、小ロット生産も可能とした。顧客からの情報収集など双方向性を持った活動は今後の課題であるが、期待値を含めて感性商品奨励賞を送り、今後の企業活動を注目したい。

感性アイディア食品賞

高齢者の介護支援食品の開発
照下 敦士

貴殿は栄養面のみならず食べることのよろこびをもたらす画期的な焼き魚の調理方法を高齢者を対象として開発されました。高齢者の豊かな食文化を支える産業に発展することを期待して感性アイディア食品賞を授与いたします。


講評

 株式会社島一が開発した「高齢者の介護支援食品」は、見た目は普通の焼き魚であるが骨まで食することのできる焼き魚食品である。焼き魚は、一般に骨まで食べることができないが、特別に開発された加熱方法により、見た目は焼き魚であり、かつ旨味を魚に凝縮させた"骨まで食べられる焼き魚"である。
 高齢者になると、歯が弱くなったり、噛む力や飲込む力が弱くなる。「食べたいんだけど・・・食べられないよなぁ・・・」と諦めていた高齢者が、頭からしっぽまで、骨や皮を気にせずに、美味しく安心して食することができる調理方法がこの方法。しかもこの方法によれば、栄養摂取だけを目的とはせず、日本人としての食文化による「食べるよろこびや感動」、「心の中に刻み込まれた懐かしい食物の記憶」等を味わうことができ、食を通じての感性のよろこびを感じ、元気いっぱいに生活することができる。また、高齢者のみならず、不測の病気等により食事に不自由をしている人々にも適している。
 この調理方法を活用して、高齢者の人々や体の弱い人々が焼き魚を大いに味わえるような感性豊かな食産業を展開されることを期待して感性アイディア食品賞を授与する。

感性産業推進賞

人の感性を軸としたビジネス理論「ワクワク系マーケティング」とその実践
小阪 裕司 殿

貴殿は「人の感性と行動」を軸としたビジネス理論を構築・実践し感性産業の推進と発展に著しく貢献してきました。ここにその功績を称え顕彰いたします。


講評

長年の研究と現場での実践検証を基に、「人の感性と行動」を軸にビジネスを組み立てる理論「ワクワク系(感性価値)マーケティング」を実践する企業と企業人の会を主宰している。現在、約1600社が実践会に参加し、ビジネススタイル、消費者の感性や時代の変化の情報・ビジネスモデル・儲けのしくみ作りを総合的にサポートされている。
長野県感性産業研究会に毎年ご参加いただき、先進的な取り組みについてのご紹介など継続的なご指導を頂いている。
長野県感性産業研究会から、感性産業推進賞として表彰することで、研究会活動との関係性を維持していくことを希望し、本研究会の取組みを広く伝えて頂く事を期待している。

感性教育賞

感性豊かな心を育む循環型農園活動
北川 恵子 殿  宮入 美千代 殿

貴殿は上田市塩田中央保育園にて循環型農園活動を展開し園児を初めとする多くの人々に生きとし生ける物の素晴らしさとその絆の大切さを体験させ感性を育んで来られました。ここにその功績を称え顕彰いたします。


講評

 上田市塩田中央保育園にて、「乳幼児期に、子ども達の誇りと主体性を大切にし、自然や多くの命と関わって、五感を通した原体験を存分に経験させ、感じる心を育てること」を目的とし、平成14年から5年間”エコ活動と農園活動”を通しての五感体験教育を実践した先生方である。
 この教育を通じ、子ども達は「生きるもの全てがかけがえのない命であり、どの命も必要があって生れてきた命」である"共生き(ともいき)"の世界を、理屈ではなく"感性"で受け止めている。また、子ども達の絵から、共生や共創の感覚が自然に身につき表現されている事を見ても、純粋無垢な心の中に感性を育んでいる。そしてこれらの活動は、子ども達だけではなく、保護者や地域の大人達、園職員達にも多大な影響を与え、"命のつながり・心のつながり・人のつながり"を学ぶ貴重な体験と共有を行った。五感体験を経験した子ども達の感性が将来、他人や社会の役に立とうとする努力に転換され、"共生き"の社会を担う人材育成に発展することが期待される。
 本活動は、近年における人間関係の希薄化や深刻な社会問題による荒廃した状況の中で、一筋の光明をさす教育の一つであり、感性教育賞に値する活動であると評価された。